FXのロスカットとは？
ロスカット（Loss Cut） とは、FX取引において 損失が一定の水準を超えた場合に、強制的に決済される仕組み のことです。
ロスカットは、投資家の資金を守るためにFX会社が自動で行うルールであり、証拠金以上の損失を防ぐ役割があります。
1. ロスカットの仕組み
FXでは、レバレッジを利用することで 少額の資金で大きな取引が可能 ですが、その分リスクも大きくなります。
📌 証拠金維持率とは？
ロスカットは 「証拠金維持率」 という指標を基に判断されます。
✅ 証拠金維持率の計算式
証拠金維持率（％）=(有効証拠金÷必要証拠金)×100
【計算例】
証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
純資産が10万円、必要証拠金が5万円の場合、証拠金維持率は10万円÷5万円×100＝200％です。
- 有効証拠金 = 預けた証拠金 ＋ 含み損益
- 必要証拠金 = 取引に必要な最低限の証拠金
FX業者ごとに設定された ロスカット基準（証拠金維持率○○％） を下回ると、自動的にロスカットが実行されます。
📌 ロスカットの具体例
例：証拠金10万円でUSD/JPYをレバレッジ25倍で取引
- 取引量：250万円（25倍のレバレッジ）
- 必要証拠金：10万円
- ロスカット基準：証拠金維持率 50%
❌ 含み損が -5万円になった場合
- 有効証拠金：5万円（＝ 10万円 – 5万円）
- 証拠金維持率 = 50%（＝ 5万円 ÷ 10万円 × 100）
この時点で証拠金維持率が 50%以下 になったため、自動的にロスカットが発動し、強制的に決済されます。
2. ロスカットのメリットとデメリット
✅ メリット
- 証拠金以上の損失を防げる
- 口座残高がゼロ以下になるリスクを軽減できる。
- リスク管理が自動化されている
- 投資家が気づかないうちに大損するのを防ぐ仕組み。
❌ デメリット
- 強制決済されるため、損失が確定する
- 一時的な相場の変動でもロスカットが発生し、損失が確定してしまう。
- 急変動時にはロスカットが間に合わないことも
- 相場が急変すると、想定よりも不利な価格でロスカットが実行されることがある。
3. ロスカットを回避する方法
ロスカットを避けるためには、以下のポイントに注意しましょう。
✅ 1. レバレッジを抑える
- レバレッジを低め（5倍以下） に設定すると、ロスカットのリスクが低減する。
- 例：証拠金10万円なら 取引量50万円（レバレッジ5倍） までに抑える。
✅ 2. 余裕を持った証拠金を入れる
- 証拠金ギリギリで取引せず、 余裕を持って資金を管理 することが大切。
✅ 3. 損切り（ストップロス）を設定する
- 事前に 「この価格になったら損切りする」 というルールを決めておく。
- 例：「証拠金の10%を損失したら決済する」など、明確な基準を設ける。
✅ 4. 重要な経済指標発表時の取引を避ける
- 雇用統計やFOMCの発表前後 は相場が急変動しやすいので、ポジションを整理しておく。
4. まとめ
ロスカットは、 投資家の資金を守るための強制決済ルール です。
ただし、ロスカットが発動すると 強制的に損失が確定 してしまうため、 レバレッジを抑え、適切なリスク管理を行うことが重要 です。
初心者の方は、まず 低レバレッジで少額取引 から始め、ロスカットに頼らず 自分で損切りを管理 する習慣を身につけましょう！
